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保育園でできる熱中症対策

2021年08月30日

保育園でできる熱中症

毎年5~9月は熱中症の要注意時期。何万人という人が緊急搬送されています。
熱中症の主な原因は言うまでもなく日差しの強い場所や高温多湿の環境ですが、同じ環境にいても大人と比べて子どもは熱中症のリスクが高く、知らないうちに重症化してしまうケースも。そのため、保育園でもきちんとした対策をとることが大切です。
このページでは、そんな熱中症の詳しい症状や保育園でできる対策についてお伝えします。

子どもは熱中症になりやすい

子どもは大人に比べて熱中症になりやすいと言われています。主な原因をみてみましょう。

■体温調節が苦手
成長途中の子どもは、体温調節機能が未発達。体内で水分や電解質を貯めておくことができません。
汗をかくのが苦手なので熱を体外に逃がすことができず、熱中症になってしまいます。
加えて大人に比べて体内の水分量も多いので、周りの気温の変化を受けやすいのも熱中症のリスクが高い要因です。

■地面の反射熱を受けやすい
子どもは身長が低いため、地面の照り返しによって大人より気温が高い環境で過ごしています。
外気温の計測は通常、地上150cmを基準としています。たとえば最高気温が32℃の日でも、身長100cmの子どもにとっては35℃くらいまで気温が上昇していることになるのです。

■体調不良に気づかない
子どもは自分で体調不良を判断できません。特に遊びに夢中になっていると体温の上昇やのどの渇きに気づかず、気づいたら熱中症になっていることがあります。
たとえちょっとした調子の悪さに気づいた場合も、言葉にして症状を詳しく説明することが難しいので、周囲の大人が気に掛けてあげることが大切です。

 

熱中症の症状

続いて、熱中症の主な症状をご説明しましょう。緊急度や重症度によって軽度~中度~重度という3種に分類されます。

■軽度
・熱失神…めまい、顔面蒼白、不整脈など
・熱けいれん…筋肉の痛み、けいれん
他にも熱失神では立ちくらみが見られる場合もあります。熱けいれんはいわゆる「こむら返り」のことで、汗で体内の塩分が欠乏したことにより起こります。

■中度
・熱疲労…吐き気、頭痛、だるさ、判断力低下など
熱疲労の原因は脱水症状。汗によって体外に熱を放出できても、水分補給が間に合わないと脱水状態になります。

■重度
・熱射病…意識がない、ろれつがまわらない、高熱
意識障害があったらすぐに救急車を呼びましょう。熱射病の特徴として、発汗が見られないことが挙げられます。わきの下や足の付け根をすぐ冷やしてください。

 

保育園で行う熱中症対策

保育園でできる熱中症対策の具体的な例とポイントをお伝えします。

■高温多湿を避ける
熱中症を起こしやすい環境を避けることが基本です。
1日のうちで最も気温の上がる13~15時は子どもたちを外に出さず、それ以外の時間に外遊びするときも帽子をかぶせて、できるだけ日陰で遊ばせましょう。屋内でも熱中症のリスクはあります。教室の気温が上がらないよう遮光カーテンやすだれをかけたり、空調やサーキュレーターを活用して涼しさを保ちましょう。

■こまめな水分補給
こまめに水分補給することも、熱中症の基本といえます。あそび時間のお昼寝の前後はもちろん、水中でも汗はかくのでプール時間の後にも水分を摂らせましょう。
また1時間おきなどのルールを設定して、園児が「のどが渇いた」と言う前に水分補給をさせるのも良いでしょう。
水よりも麦茶やスポーツドリンクを薄めたものなどの方が飲ませやすいかもしれません。

■暑さチェックと子どもの観察
保育園でのその日の予定は、暑さ指数をチェックして柔軟に対応することをおすすめします。
暑さ指数(WBGT)とは1954年にアメリカで提案された指標のことで、これにより熱中症の警戒レベルもわかります。環境省のサイトで随時チェックが可能です。
またその日の暑さ関わらず、子どもの様子に変化がないか常に観察しておくことも大切です。ひどく汗をかいていたり顔が赤かったりする場合は、体温が急激に上昇している可能性が。涼しい場所で休ませるなどの対応を取りましょう。

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